みなさん、こんにちは。えどまるです。
たてもの園の特別展「モダン都市の文学誌」の会期も、残すところ10日。
まだご覧になっていない方、見逃さないようお急ぎ下さい〜。
今回ブログで紹介するのは「武蔵野」のコーナー。
作家の横光利一は斬新な文体による作品で、新感覚派の旗手として注目を集めた人だけど、昭和12年に著した「春園」には、武蔵野の一角に居を構えた主人公が、
ヒロインの成長を見守りつつ、東洋的精神と西洋文明の狭間で
自らの生き様を問う姿が描かれているらしい・・・!
何だか、現代に生きる僕たちも考えるようなテーマだね。
「春園」の背景は、雑木林や麦畑に囲まれた静かな郊外風景で、
登場人物の気持や行動の変化を際立たせる舞台設定になっているとのこと。
これは横光自身が、杉並町阿佐ヶ谷に移り住んだ時の光景を
参考にしたとも言われているんだって。
武蔵野の雑木林は、度々伐採されて薪にされることから、
細くて低い幹が根から何本も生えて、梢越しに空の見える明るい林だったそう。
こちらは哲学者・山口諭助による武蔵野の風景。
「春園」では、ヨーロッパから帰国した主人公が自宅を建て、
新しい生活を送りつつ思索にふける場所として武蔵野地域が選ばれているけれど、
こうしたことが出来るのが都市のとなりに位置する地域の特徴じゃないかな。
たてもの園があるのも、都市のとなりの小金井市。
自然の中に移築・復元された歴史的建造物の見学を兼ねて、ぜひご来園くださいね。
みなさんのお越しをお待ちしています!