いい湯だな・・・雰囲気だけですけど

こんにちは。

昆虫の苦手なかたには申し訳ないのですが、今日のしょっぱなはこれです。

西ゾーンの吉野家の前で、セミがまさに羽化していました。
見る見るうちに色が変わっていくのですが、きれいでしょ?なんとも言えない色です。

ひじろっ子が観察してスケッチしていました。


う、とかげ。ちょっと苦手なので、写真がぶれました。

さて、昨日のことですが、ひじろっ子たちは立川の昭和記念公園に遠足に行きました。そこで防災館も見学しましたが、ちょうどその前日に静岡で大きな地震があったので、こどもたちの関心も高かったようです。ひじろっ子たちはスタッフの一員でもあるので、防災意識は大切です。
  
一緒に行きたかったのですが、「雨男だから来ないで!」と言われ、断念しました。今年はたまたま異常気象で、自分のせいでは・・・と思いましたがそれに従ったところ、実にいい天気だったので、まぁいいか。

さて、今日の建造物は、おなじみの「子宝湯」です。

「千と千尋の神隠し」のモデルとも言われている銭湯で、たてもの園のなかではやはり人気の高い建造物です。
 
男湯の脱衣所と番台です。
「時間ですよ〜」という声が聞こえてきそうだ、と言う方は、私と同じか上の年代の方でしょう。

天井は折上げ格天井。

この「子宝湯」は、東京型銭湯の典型と言うか代表というか、非常に凝った、平たく言えばお金をかけた建築であるのが特徴です。
昭和4年に、足立区千住元町に建てられ、昭和63年まで営業していました。
 
左が男湯で右が女湯です。背景の壁には大きなペンキ絵があり、これもおなじみの富士山の絵です。東京の銭湯の9割ほどが富士山を画題にしていると言います。なんか、ゆったりというか壮大な気分になれるからですかね〜?

 
浴室の天井もすごく高くて開放感があるし、洗い場のタイル絵もすばらしい。


東京都衛生局のお達しや、

広告看板も忠実に再現してあります。


唐破風に彫刻も凝っていて、寺社建築のような装飾も東京型銭湯の特徴です。

それにしても、なんか湯上りの浴衣美人が出てきそうな雰囲気ですよね。
「お風呂に入りたい」という声はよく聞くのですが、残念ながらその道は遠いです。すみません。でも懐かしい雰囲気は味わえますし、建築としての銭湯の魅力も再発見できると思いますので、是非。

いつのまにか20回を越えた

こんにちは。


きれいで、涼しげですね。
これは江戸の伝統工芸「江戸切子」です。

たてもの園では、失われいく歴史的建造物の移築復元や諸行事の再現だけでなく、こうした伝統工芸の実演も毎月行っています。
 
今月は墨田区「江戸切子」の山田真照さんと、


同じく墨田区「錺金具」の塩澤政子さん。
写真を失敗してしまいました。すみません!!

これは作業台と道具。
「錺金具」というのは神輿の飾りで、真鍮板や銅板を鏨(たがね)で叩いて加工して作るものなのですが、その技術を活かして、名刺入れやマグネットなど新しいものにも挑戦しているそうです。
ご自身のホームページもあるので、是非アクセスしてみてください。

さて、今日の建造物紹介は西ゾーンにある「小出邸」です。
 

以前、この庭にある「伏鉢型役物瓦」のご紹介だけしましたが、今日はようやく建物全体です。

「小出邸」は大正12年に、現在の文京区西片に建てられた住宅で、この設計者は堀口捨己という著名な建築家です。オランダの建築を初めて日本に紹介した人物であり、当時のオランダの造形運動であるデ・ステイルの影響がこの「小出邸」にも見られます。絵画でいえばP.モンドリアンのように、抽象的な幾何学形態と空間による芸術表現を実現しようとした、と言えます。

たとえば、

これは1階の寝室の東側の壁面ですが、どうです?
この水平線と垂直線、モンドリアンの「コンポジション」みたいではありませんか?

 
こちらは玄関と1階の食堂。

この住宅最大のみどころはこの応接間です。
 
ああっ、ソファの背もたれが破れてる!これは、当時のものではなく、この応接間に合わせて新たに作ったものなんですが・・・、直さなきゃ。


応接間の吊り棚もなかなかの造形美です。


窓から庭を見た風景。


2階の和室は一転して伝統的な書院造になっていたりなど、外観はふつうの住宅のようにも見えますが、さすが一流の建築家の作品だというのがわかります。

なんか、ソファの破れがショックだったので、今日はこれでお終い。
あんな写真載せなきゃいいのにと、ちょっと後悔しています。

つわものどもが・・・

こんにちは。

おかげさまで、1日・2日の「下町夕涼み」は無事に終了いたしました。
今年で7回目だったのですが、2日目は初めて雨の中での開催となってしまいました。お客様も私たちも楽しみにしていた盆踊りも中止にせざるを得ず、それがとても心残りです。
が、前にも書きましたが、あんな雨の中でも本当に大勢のお客様が来られて、この「下町夕涼み」がすっかり定着しているんだなぁと実感し、少しうれしくもありました。
まぁやはり晴れるにこしたことはないので、来年は晴れますように。


なんか、祭りが終わった、という感じで、まさに夢の跡です。
なんか、ちょっとさみしい。

話は違いますが、たてもの園のビジターセンターになっている「光華殿」は、昭和15年の「紀元2600年記念式典」が行われた建物なのですが、その奉祝のあとのスローガンは、
「祝ひ終わった さぁ働こう!」でした。
とても言えない・・・。

さて、気を取り直して建造物のご紹介の再開です。
今日はこちら。

西ゾーンにある「常盤台写真場」です。


斜めからみたところ。

この建造物は現在の板橋区常盤台に、昭和12年に建てられた写真館です。
常盤台は東武鉄道初の宅地開発により分譲された住宅街で、田園調布と並ぶ郊外住宅地として、モダンな文化住宅が立ち並んでいました。
常盤台写真場はそのなかにあっても、ひときわモダンな存在でした。

屋内ももちろん見学できます。
  
これらは1階で、左は応接間、右は居間と老人室と呼ばれた部屋です。

  
同じく1階で、左は子ども部屋、右は浴室です。


この建物のメインはやはり写真スタジオで、これは2階にあります。
天井をみると、

となっていて、これは北側に面しています。なんで北向きなのかというと、ムラのない自然光を取り入れるためです。


これは写真場の前にあるディスプレイなのですが、実はこの2階のスタジオで記念撮影のサービスを行っています。実費相当の料金をいただいております。
毎月第3土曜日のみなのですが、8月15日(土)は臨時休業ですのでご了承ください。


階段にある照明もモダン。

これ以外にもこの建造物の中は細部にいろいろこだわりがあって、外観以上に見ごたえがありますので、どうぞごゆっくりご見学ください。

さて、もう天気のことは言いたくないし、どうなるかわからないし、とにかく晴れても雨でも暑くても寒くても楽しいたてもの園へ。ご来園をお待ちしております。

ありがとうございました

「下町夕涼み」2日目。終日雨にもかかわらず、今日も大勢のお客様がお見えになりました。

残念ながら盆踊りは断念せざるをえませんでしたが、それでも閉園時間までみなさまそれぞれに楽しんでいただけたようです。

ご来園いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
また来年もやります!
来年も再来年もまた是非お越しください。

とにかく感謝感謝のえどまるでした。

祭りだ、祭りだ!

こんにちは。

みなさまの祈りが通じまして、「下町夕涼み」初日は雨に降られず、ほど良い暑さの中、盛大に行なわれました。

恒例の盆踊りも大勢の方が参加され、大いに盛り上がったし、


こども御輿も、


打ち水大作戦も、


すいか割りも、みんな楽しんでくれましたよ。

「下町夕涼み」の魅力は、こういうお祭りの行事はもちろんなのですが、たてもの園らしく、歴史的建造物を活かした催しがあることなのです。
たとえば、

下谷の名居酒屋である「鍵屋」が復活して営業したり、


銭湯「子宝湯」では寄席が行われたり、



「仕立屋」では駄菓子の販売、「小寺醤油店」は酒屋、「花市生花店」で切り花、「川野商店」では和傘の販売、などなど。
ほかにも、「武居三省堂」では文具を、「丸二商店」ではおもちゃを、「村上精華堂」では子ども化粧を、というように、とくに東の下町ゾーンは、まさに昭和の建物と街並みと活気がよみがえるのです。  

夕涼みの風景。


こうして、たてもの園の楽しい楽しい夏の一日は暮れていきました。

で、今日は二日目ですが、朝からあいにくの雨。
でも「下町夕涼み」は今日もやってますよ。
天候により、いくつかの行事は中止になるかもしれませんが。
8月2日(日)朝、これをご覧になっている方は、是非是非いらしてください。
お待ちしております。