文化財ウィーク 建物公開について

みなさんこんにちは。
寒くなってきたな−と思ったら、もう11月ですね。
紅葉前線も徐々に南下しているようですが、現在のたてもの園のもみじはこんな感じです。
うーん、もうちょっと。。。

さて今日は、建物の公開についてご案内します。

たてもの園では、文化財ウィークにあわせ東京都指定有形文化財(建造物)旧自証院霊屋を公開しています。

旧自証院霊屋は徳川三代将軍家光の側室の霊を祀るため建てられたものです。この期間中、霊屋の扉を開け、内部をご覧いただけます。
(11月4日まで)
※通常は日曜日と祝日のみ扉を開けています。(天気の状況により閉めさせていただく場合もあります)

また、非公開となっている川野商店(和傘問屋)の1階部分と、三井八郎右衞門邸(三井財閥総領家)の中の茶室、望海床(ぼうかいしょう)を公開しています。

こちらが川野商店です。

川野商店の1階部分は主に居室として使われていました。
商談や傘職人等とのやりとりは店先で行っていたようですが、重要なお得意様は玄関から中に通し、おもてなしをされていたようです。一番奥の部屋は家主(川野米蔵さん)が使った部屋で、お気に入りだった蓄音機も置かれています。
1階店先の電話ボックスは当時の電話機の性能の低さゆえ、周囲の雑音を遮断するためにしつらえたものだそうです。

こちらは三井八郎右衞門邸。

望海床はこんな感じです。

望海床は、もとは城山荘(神奈川県大磯)にあったもので、当時は三井高棟氏の画室として使用されていました。
西麻布に移築後、一時的に立礼式の茶室として使用された後、庭園にあった茶室・前後軒の待合に使用されていたものです。

なお展示室では、国指定の重要文化財で、精巧に作られた縄文時代晩期の土製耳飾を展示中です。(12月2日まで)

朝晩寒くなってきましたが、秋を感じつつ、あたたかくしてお出かけください。

旧自証院霊屋 補修工事

旧自証院霊屋は今年の11月から来年の3月まで、漆の塗り替え工事を行います。
最初に古い漆を叩き落とします。
今日は「飼い込み刻苧」を行っています。これは木地のでこぼこを平らにするため、へこんだ箇所に刻苧を塗りこむ作業です。刻苧とは生漆に小麦粉・綿・木地粉を混ぜ合わせたものです。

生漆

右から 綿・小麦粉・木地粉

刻苧

刻苧を欄干に塗りこんだ様子

梅雨の晴れ間に

こんにちは。

なんとなく間があいてしまいました。予想どおり、続けるということはなかなかたいへんなことだなぁと、ひしひしと感じておりますが、わずかながらでも「更新楽しみにしてますよ」なんて声をかけていただくと、そうだ、がんばらねば、と思ったりします。

今日は梅雨の晴れ間。
真夏でもなく、かと言ってすっきり爽やかというわけでもなく、この季節の晴れ間って、なんかある意味からだにこたえますね。

で、そんな季節の日曜日のたてもの園。今日は寸景という感じで。


たてもの園の東ゾーンには通称「はらっぱ」があるのですが、そこにはこういうベーゴマや竹馬など、昔遊びの道具が置いてあって、いつでも誰でも遊ぶことができます。


紙飛行機のときもそうでしたが、こういう遊びって、おとなのほうが夢中になるというか、むきになるというか・・・。年齢に関係なく楽しんでいただければいいなと思います。


これは今日のベストショット。
はらっぱには土管が置いてあります。なんてことのないただの土管なのですが、遊びの舞台になる。写真の左のほうは、お子さんに竹馬を教えているところ。女の子が勇気をもって土管の上を歩き、男の子が走り回っている。左から水しぶきのように見えるのは、はらっぱに水遣りをしてくれているボランティアさんがいるのです。

いま、街中ではほとんど見かけないような光景。なんかいいでしょ?

今日は暑かったので、氷やアイスをおねだり。

涼しい室内では、やはりボランティアさんによる紙芝居も行われています。

梅雨の晴れ間のたてもの園寸景でした。

さて、建造物のご紹介ですが、今日はこちら。

センターゾーンにある、旧自証院霊屋(おたまや)です。

徳川三代将軍家光の側室、お振の方の霊廟で、1652年に建てられました。江戸時代初期の霊廟建築で現存するものは数少なく、この建造物も東京都の有形文化財に指定されています。

小さいけれど、なかなか見事な装飾です。

なんで今日これをご紹介するかというと、今日は日曜日で晴れているからです。日曜日で晴れた日に限り、霊屋の扉を開けて公開しています。

須弥壇が見えますね。写真ではわかりづらいですが、天井もきれいなんですよ。

たてもの園27棟の建造物のうち、この霊屋だけが住居でなく生活の場でないという、ちょっと特殊なものとなっています。

梅雨明けももうそろそろですかねぇ。

真夏よりむしろ緑や土の匂いが感じられるこんな季節にお越しいただくのもいいと思いますけど。

では、また。